2011年11月16日水曜日

わたしなりの発掘良品『スモーキング・ハイ』(2008)

スモーキング・ハイ(2008)
Pineapple Express
監督:デヴィッド・ゴードン・グリーン


召喚状の配達を仕事にしているデール・デントンは車を転がしながらマリファナをふかし、いちいち変装しては召喚状をあて先に届け、昼間から女子高生のガールフレンドと逢引をしたり、友達の売人ソール・シルバーから上物のマリファナを手に入れたりと苦労のない生活をへらへらと送っていたが、ある晩、召喚状を届けにいった先で麻薬業界の大物テッド・ジョーンズがひとを殺す場面を目撃し、あわててその場から逃げ出すものの、うっかり投げ捨てたマリファナの品種から足がつき、ソール・シルバーともども殺し屋に追われるはめになる。ところが逃げるあいだもマリファナをたしなむことはやめようとしないので、どうにもやっていることに集中できないし、ときどき朦朧としているし、ひとの話は聞いていないし、だからどうにもへまが目立つわけだけど、それでも立派にカーチェイスはするし、派手な銃撃戦もして(撃たれてもあまり痛くないらしい)、そうするうちに悪は滅び、マリファナの売人とマリファナ依存患者はさまざまな困難を克服して友情をあたため、どうやら人間的にも成長する、という悪趣味なコメディである。冒頭、1937年のアメリカ某所がモノクロで現われ、陸軍の地下実験施設でおそるべき人体実験が、というところからすでにいかがわしい(しかもその場面が最後にちゃんと回収されている)。セス・ローゲンとジェームズ・フランコのかけあいのテンポが実にいい感じで、ジェームズ・フランコの妙な具合に地に足がついた売人ぶりがなかなかにおかしい。 
スモーキング・ハイ [DVD]

Tetsuya Sato