2011年11月8日火曜日

わたしなりの発掘良品『コンクラーベ』(2006)

コンクラーベ(2006)
The Conclave
監督:クリストフ・スクルーイ


1458年、法王カリストゥス3世の死で後ろ盾を失ったロドリゴ・ボルジアはオルシニ枢機卿に命を狙われるが、どうにか逃れてコンクラーベに臨み、そこでは恫喝、強要、買収などの政治的手管に取り囲まれ、それでもどうにか立ちまわってピウス2世の誕生に立ち会う。ぴよぴよとした若造がコンクラーベでもまれてちょっと大人になって出てくる、という話で、ロドリゴ・ボルジアを演じたマヌ・フローラという俳優がなかなかに魅力的であったほか、枢機卿をそれぞれに演じた俳優も味があり、どれもがいかにもという風貌をしていて見ごたえがあった。歴史的なパースを明瞭に意識しているところが好ましく、コンクラーベの細部にわたる描写も興味深い。後半に入ってダイアログがやや息切れしてくるが、ロドリゴ・ボルジアの青春という着眼点が面白いし、テンションは最後まで持続する。ところで枢機卿の一人、プロスペロ・コロナを演じたニコラス・アイアンズという俳優だが、このひとはジェレミー・アイアンズの関係者なのであろうか。プロファイルを見ると1970年の生まれなのでジェレミー・アイアンズの息子ということはないはずだが、面立ちから目つき顎つきまで実によく似ていたのである。 
コンクラーベ 天使と悪魔 [DVD]

Tetsuya Sato