2011年11月21日月曜日

わたしなりの発掘良品『ダークスター』(1974)

ダークスター(1974)
Dark Star
監督:ジョン・カーペンター
脚本:ジョン・カーペンター、ダン・オバノン
編集・特撮:ダン・オバノン


恒星間宇宙船ダークスターは地球を旅立ってからすでに20年、様々な星系に立ち寄って不安定な惑星を爆破してきたが、船体には故障が目立ち始めている。放射能漏れが起こって地球に援助を求めたものの、予算の関係で拒絶され、電気系統の故障でパウエル指揮官が死亡し、今は副官のドゥーリトルが指揮を取っている。状況は芳しくなかった。休息室には穴が空いて居住不可能な状態にあり、乗員は食料倉庫にベンチを並べてむさくるしく眠っている。倉庫が一つ壊滅したために、ダークスターはトイレットペーパーの在庫を失っていた。乗員の士気も低下している。タルビーは観測室に閉じこもって船内を歩くことを拒み、ドゥーリトルはサーフィンの話しかしない。ボイラーは船内でレーザー砲を発砲し、ピンバックは会話を盛り上げようと余計なことばかりを話題にし、一人でビーチボール型エイリアンと戦っていた。
やがてダークスターは宇宙嵐に巻き込まれ、嵐を抜けていく過程で船体の一部に新たな損傷を負って通信系統がエラーを起こした。そして惑星破壊爆弾20号は誤情報を信じて自分自身の爆発準備に取り掛かり、船内コンピューターの説得に応じて爆弾倉に復帰する。二度目のエラーはピンバックに追われたビーチボール型エイリアンによって引き起こされ、爆弾20号は再び爆発準備に取り掛かるが、船内コンピューターの再度の説得に応じてどうにか爆弾倉に引き上げた。そしてダークスターが破壊目標とする惑星に近づき、乗員たちが本番で20号の投下準備に取り掛かったとき、三度目の事故が起こって爆弾20号は投下不能の状態になる。だがカウントダウンは始まっており、爆弾20号は再三の説得に応じようとしない。ダークスターに危機が訪れ、ドゥーリトルは宇宙服に身を包んで爆弾に近づき、現象学の立場から爆弾20号に外界の実在性に関する判断の中止を求めていく。
ジョン・カーペンターの処女作である。ダン・オバノンが大活躍しているのである。予算や技術よりも、とにかく頭と手を使って作った映画という感じがして、見た当時(1981)に非常に強い共感を覚えた。その頃はわたしも8ミリで映画を作っていたのである。主題歌「ベンソン、アリゾナ」がなんとも熱く胸に染み入る。
ダーク・スター [DVD]

Tetsuya Sato