2012年5月21日月曜日

リアル・スティール

リアル・スティール
Real Steel
2011年 アメリカ/インド 128分
監督:ショーン・レヴィ


2020年、人間にかわってロボットがボクシングをする時代が訪れ、元ボクサーで人生に間違いの多い男チャーリー・ケントンは有り金をはたいて買ったロボットでどさまわりをして(テキサスの田舎で牛と戦うとか)糊口をしのいでいたが、ロボットを失って途方に暮れているところで元妻の訃報が届いて十一歳になる息子マックスが目の前に現われるので、マックスの養育権を十万ドルで売って(つまり息子を売って)新しいロボットを買い、自分の代金の半分を求めるマックスを連れて出かけていくと、マックスの忠告に耳を貸さずに新しいロボットの使い方もよく理解しないまま戦術も考えずに無謀な試合に挑んでまたしてもロボットを失い、修理のための部品を求めて廃品置き場にもぐり込み、そこでマックスが古ぼけたロボットを見つけて持ち帰るとこれがまだ動くので、マックスはこのロボットを試合に出すようにチャーリー・ケントンに懇願し、場末の試合に出してみるとこれがよく戦う、ということで、連勝を重ねるうちにマックスのロボットは有名になり、間もなくWRBの公式試合の前座に招かれ、この試合にも勝利を得るとリングに上がったマックスはマイクをつかんで王者ゼウスに挑戦し、チャーリー・ケントンとマックスの親子は無敵の王者ゼウスとの試合にのぞむことになる。 
プロットはシンプルだが、細部がよく練り込まれ、語り口はスピーディーでよどみがなく、ロボットの試合は非常に迫力がある。実物大のロボットのモデルとCGの使い分けが非常にうまくて、まったく見分けがつかないほどの出来栄えなのにはとにかく感心したし(特殊効果にスタン・ウィンストンの弟子筋が参加していて、ロボットを17体作成したらしい)、試合のバックヤードの描写がまたリアルで、いかにもという雰囲気に仕上がっている。充実した作品だと思う。ヒュー・ジャックマンのだめ親父ぶりがいい感じで、マックス役のダコタ・ゴヨはたいそう元気がいい。 






Tetsuya Sato