2012年5月7日月曜日

悪魔の植物人間

悪魔の植物人間
The Mutations/The Freakmaker
1974年 イギリス 92分
監督:ジャック・カーディフ


ルイセンコよりもさらに過激な進化論を信奉するノルター教授は人間と植物を融合すれば食料を大幅に節約することができると主張し、主張するだけでは足らずに見世物小屋の座長リンチを使ってひとをさらわせ、そうするとなぜかリンチはノルター教授のクラスの学生ばかりをさらってくるわけだけど、ノルター教授は気にもしないで学生を手術台に横たえて原子核破壊装置から出る光線を浴びせ、光線を浴びた学生は遺伝子変異によって見るもおぞましい怪物に変わり、失敗作はリンチの見世物小屋で見世物にされ、成功すると光合成でおとなしく腹を満たすどころか食肉植物の特徴を得て人間を襲う。ノルター教授によると、光合成は次の段階、ということらしい。
堂々としていいかげんなノルター教授がドナルド・プレザンス、監督はイギリスの名カメラマン、ジャック・カーディフ。1932年の『フリークス』へのオマージュということで、見世物小屋のシーンでは本物が多数出演している。ノルター教授の実験で生まれる怪物はショッカーの改造人間でももう少しましであろう、という感じではあるが、その安っぽさが不思議なほど印象に残る。




Tetsuya Sato