2012年5月5日土曜日

戦争と平和(1956)

戦争と平和
War and Peace
1956年 アメリカ・イタリア 208分
監督:キング・ヴィダー


メル・ファーラーのアンドレイには少しく疑問を感じたものの、ヘンリー・フォンダのピエールはさすがに見ごたえがあり、オードリー・ヘプバーンのナターシャも悪くない。原作を大胆に刈り込んで3時間半に押し込んでいるが、それでも主要な場面は一通り押さえており、ときには巧みに脚色しているところにも感心した。ただ、話の中盤にボロディノを置いた結果、モスクワ炎上からフランス軍撤退までがかなり長くなり、それで格別なにかが起こるというわけでもないので(アンドレイが死に、ペーチャが死ぬ)、テンションを保つのが難しくなる。このあたりは モスフィルム版 のほうがバランスがよかったような気がする。ボロディノについて言えば、かなりがんばっているものの、ロシア軍の配置が奇妙であった(あえてモスフィルム版との比較はしない)。






Tetsuya Sato