2012年5月20日日曜日

銀河ヒッチハイク・ガイド(2005)

銀河ヒッチハイク・ガイド
The Hitchhiker's Guide to The Galaxy
2005年 アメリカ/イギリス 109分


ある日、地球は超空間バイパス工事のために破壊され、アーサー・デントはベテルギウス人の友人フォード・プリフェクトとともに宇宙へ飛び出す。
ダグラス・アダムスの同名のラジオドラマ・小説の映画化。ダグラス・アダムス自身が生前、脚本に参加していた、ということで、そのせいか、原作の世界の雰囲気は大切にされているし、主筋もおおむね忠実に押さえられている。そして肝心な枝葉末節もきちんと消化されていて、つまりヴォゴン人はとてつもなくヴォゴン人だし、そのヴォゴン人はハシリガニを金槌(というか肉叩き)で叩き潰しているし、ヴォゴンスフィアに住む「ガゼルのごとき生物」はヴォゴン人の背後で死体だか剥製に成り果てている。宇宙船「黄金の心」号の不可能性ドライブの描写にもなかなかの説得力があり(毛糸状態になったクルーがかわいらしい)、それを盗む銀河帝国大統領ゼイフォード・ビーブルブロックスはアホ丸出しだし、ロボットのマーヴィンはマーヴィンで、しかもその声がアラン・リックマンで、おまけにディープ・ソートの声はヘレン・ミレン、イルカの歌も気が利いている、さらに加えてライトセイバーが食パンを切りながらトーストするのに使われている、ということになると、演出に多少の素人臭さが見えたとしても、こちらとしては文句をつける理由はないのである。






Tetsuya Sato