2011年10月15日土曜日

ピラニア3D

ピラニア3D(2010)
Pirania 3D
監督:アレクサンドル・アジャ
1978年の『ピラニア』のリメイク。ただし凶暴なピラニアは人間による改造の結果ではなく、そもそも凶暴な古代のピラニアが地震でできた地割れを抜けて地底湖から現われる設定に変わっている。リチャード・ドレイファスは冒頭のシーンだけの登場で、つまり最初の犠牲者になり、クリストファー・ロイドは町の金魚屋さんでピラニアの正体を特定する。これも中盤と最後のほうの2シーンのみ登場。エリザベス・シューは町の保安官役で、少し歳をとっていくらか貫禄がついているものの、あいかわらずかわいらしい。アレクサンドル・アジャの演出はテンションをたもち、プロットはきわめてシンプルで、脚本はおおむねにおいてしっかりとしていて、余計なものは排除して、肝心なところでエンジンがかからないという例によって無駄なところまで含めて作法通りにやるべきことは全部やり、そのやり方が徹底していて特にゴアぶりは破格だが、フランス人の監督だから、ということになるのか、そこに独特の悪趣味が現われている。つまり壮絶なゴアシーンは予想していたものの、ピラニアに食いちぎられた男性性器が3Dで画面中央にでかでかと浮かび上がるようなショットはまったく予想していなかったのである。これは確実に性格を備えたひとかどのB級映画であり、わたしはこの仕上がりを支持したい。



Tetsuya Sato