2011年10月10日月曜日

パッシェンデール


A TIME OF WAR 戦場の十字架(2008)
Passchendaele
監督・脚本・主演:ポール・グロス
カルガリーで編成された第十大隊のマイケル・ダン軍曹は負傷して神経衰弱の診断書を与えられ、募兵任務を帯びてカルガリーに戻り、看護師のサラ・マンと再会するが、ドイツ系カナダ人のサラ・マンとその弟のデヴィッド・マンの父親はドイツ軍に入隊して戦死しており、弟デヴィッドはドイツ人を殺して父の汚名をそそぐために入隊を希望したものの、持病の喘息のせいで兵役不適格となっている。そのデヴィッドは医師の娘と交際していたが、医師は娘との婚約を認める代わりに事実上の悪意によってデヴィッドに根拠のない完治証明書を発行し、マイケル・ダンに反発する募兵所の英国人将校の画策もあってデヴィッドは遂に入隊を果たし、そのことでサラ・マンとの関係を損なったマイケル・ダンはデヴィッドを守るために前線に復帰することになり、自らの誤解を知ったサラ・マンもまた看護師として前線を志願する。
いわゆるパッシェンデールの戦いを扱ったカナダ製の戦争映画。決してうまく作られてはないが、素材への誠実さと粘り強さは称賛に値する。第一次世界大戦当時の銃後における大人たちの言わば怪物じみたふるまい、細部にわたる前線の様子、精密に再現されたパッシェンデールの風景、大規模ではないものの、きわめてよくできた戦闘シーンと観るべきところに不足はない。 
A TIME OF WAR 戦場の十字架 [DVD]



Tetsuya Sato