2011年10月24日月曜日

セインツロウ2

Saints Row 2
セインツロウ2/THQ/PS3/2008


シカゴ、デトロイトなどから合成されたとされる架空の都市スティルウォーターを舞台にプレイヤーはギャングの主人公を操作して敵対ギャングに攻撃を加え、敵を残らず殲滅してスティルウォーターの町を支配下に置く。いわゆる箱庭型のアクションゲームで、『GTA』のシリーズと比べた場合、『サンアンドレアス』にもっとも近いが、暴力性が半端ではなく、『GTA』がお上品なゲームに思えてくる。これは『GTA』が本質的にはカーチェイスのゲームであるのに対し、『セインツロウ2』はギャング抗争のゲームだというところから表われる違いであろう。たとえば『GTA』と同様、車は豊富な種類が登場するが、車の挙動に関する表現はやや単調になっている。外見がどことなく似ていても本質的には『GTA』と異なるゲームであり、だから比較することにあまり意味はない。グラフィックは最新のものに比べるとやや劣るが、それでも町は精密に作り込まれ、通行人などのAIもそれなりのバリエーションが加えられている。『GTA4』で雨が降ってくると通行人が傘をさすのに驚いたが、こちらでも通行人は同じ反応をする。さらに路上での暴力行為を目撃すると携帯を取り出してどうやら警察に通報しているようだし、ときにはカメラで撮影を始める。警察も主人公だけを追い回すのではなく、主人公を追い回している最中でも別のギャングから攻撃を受けるとそちらと戦う。プレイヤーキャラクターのカスタマイズが可能で、人種、性別、容姿容貌までがこまかく設定できるようになっていて、これだけでもなかなかに面白い。通常、キャラクターのカスタマイズはゲーム序盤でのみおこなえるが、このゲームでは美容整形医を訪ねることで変更ができるようになっている。車についてもおそらく全車種がカスタマイズ可能であること、本筋のミッション以外にもアクティビティやデバージョンと呼ばれるサブミッションが豊富に用意され、やるべきことが多いこと、強盗はほぼすべての店舗でも可能だし、路上でも可能なこと、など、とにかく立派に作り込まれたゲームであることは間違いない。どこでもセーブできるのはありがたいし、いくつかのアクティビティをクリアすれば序盤からピストル、サブマシンガン、ショットガンなどは最強レベルの装備ができて、しかも弾薬を無制限にできるのもありがたい。ということで、やっているうちに気がついたが、これは銃撃や弾数を抑制するような性格のゲームではない。『GTA』との比較は無意味であると言いながら、やはり比較したくなることがひとつあって、つまり『GTA』ではいったんセーブしたあと、最後にちょっと大暴れ、といったことをしていたわけだけど、『セインツロウ2』ではそうしようという考えが出てこない。ふつうにプレイしているだけで大暴れになるからである。バキュームカーで町に糞便をまき散らすようなアクティビティもあるくらいだから、かなりアナーキーということになるのであろう。
セインツ・ロウ2THQコレクション【CEROレーティング「Z」】PS3
セインツ・ロウ2 Xbox 360 プラチナコレクション【CEROレーティング「Z」】XBOX


で、シリーズ続編『セインツロウ ザ・サード』が11/17に発売される模様。
セインツロウ ザ・サード 【CEROレーティング「Z」】PS3
セインツロウ ザ・サード 【CEROレーティング「Z」】 XBOX

Tetsuya Sato