2012年8月18日土曜日

アベンジャーズ

アベンジャーズ
TheAvengers
2012年 アメリカ 144分
監督:ジョス・ウェドン

シールドが四次元キューブを使ってなにやら怪しい実験を始めようとしていると四次元キューブがどうやら暴走を始めてシールドの基地にあちら側につながる穴が開き、その穴をくぐってロキが現われて四次元キューブを奪い取り、さらにジェレミー・レナー扮するクリント・バートンほかを洗脳して連れ去るので、ニック・フューリーは戦争状態を宣言してアベンジャーズを招集するが、それで集まったのがいまひとつまじめに見えないトニー・スターク、例によって厭世観のとりこになったブルース・バナー、自覚として単なる兵士であるところのキャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャーズ、義弟ロキの問題ではできれば言い訳がましいことを言いたいソー、秘められた過去やら得体の知れない貸しやらを抱えたナターシャ・ロマノフといった面々で、当然ながらそれぞれにベクトルが異なるせいでいまひとつ方向性の一致が見られないものの、そこへロキにあやつられたクリント・バートンが襲撃をかけてアベンジャーズを窮地に陥れ、それをきっかけにそれぞれが動き始め、ナターシャ・ロマノフは洗脳されたクリント・バートンを回収し、そうしているとロキがマンハッタンで四次元キューブを使って時空に穴を開き、その穴をくぐってチタウリ軍団が現われて乱暴狼藉を働くので、アベンジャーズはマンハッタンに移動して戦いを始める。
監督、脚本は『セレニティー』のジョス・ウェドン。『セレニティー』もそうだったけど、この監督はキャラクター性を生かしながらディテールを書き込むのがうまい。今回もそれぞれのキャラクターをたくみに生かしてシチュエーションを構築し、テンポよく場面をつないでダイアログにはほどよくユーモアをまぶしている。シンプルなプロットにはこれ以上はないというくらいに無駄がないし、プロットをおぎなう書き込みは盛りだくさんで見ているこちらを飽きさせない。どこもかしこも扱っている素材への愛着と自信を感じさせる。というわけでごちそうをいただきながら、ハルク強い、ジェレミー・レナーかっこいい、ロキかわいそう、と単純素朴に楽しんでいた。エージェント・コールソンの戦いぶりは泣けるし、エージェント・ヒルはなにやら期待を持たせるし、そう思っているといきなりハリー・ディーン・スタントンが顔を出すし、ということで、これはよい映画である。



Tetsuya Sato