2012年8月15日水曜日

インクレディブル・ハルク

インクレディブル・ハルク
The Incredible Hulk
2008年 アメリカ 114分
監督:ルイ・レテリエ

ブルース・バナー博士が自分のやっかいな特異体質をどうにかするためにうろうろしていると強圧的な上に外聞をかえりみない軍隊がやって来て大学のキャンパスを昼間から戦場に変えたりするのである。エドワード・ノートン扮する迷子の子犬みたいなブルース・バナーがまずいいが、ウィリアム・ハート扮する非情なロス将軍がまたよろしい。しかし見どころはなんと言っても特殊部隊のベテラン隊員ブロンスキー(自称39歳)に扮したティム・ロスのうれしそうな怪演ぶりであろう。万年戦闘状態を求めて怪物化したこの怪人とハルクとの戦いぶりも満足度が高い仕上がりで、見終わったあとはつい「ハルク・スマッシュ」と叫びたくなるほどである。 2003年版のどうにも至らない雰囲気はここにはもはやかけらもなく、なんとも得体の知れない方向へ突き抜けた傑作となっている。





Tetsuya Sato