2012年8月24日金曜日

ミクロの決死圏

ミクロの決死圏
Fantastic Voyage
1966年 アメリカ 100分
監督:リチャード・フライシャー

冷戦下の東西両陣営は物質のミニチュア化技術をすでに実用化していたが、縮小状態は1時間しか継続できなかった。そこへ東側の科学者が問題を解決する方法を考案し、西側の諜報員がその科学者をアメリカへ亡命させると東側の諜報員は情報を科学者もろとも葬ろうと決死の攻撃を仕掛けてくる。攻撃の結果、科学者は脳に傷を負ってしまうので、医療チームを乗り込ませた潜水艇を縮小し、科学者の体内に送り込むことになる。
SF映画の古典ではあるが、リチャード・フライシャーの演出は今ひとつメリハリを欠くし、話だけを取り上げるならばアイザック・アシモフによるノベライズの方がだんぜん面白い。人体のセットも今見るとビニールだらけなのである。とはいえ、そのセットを背景にしたプロテウス号の雄姿や、電動カートが走り回るミニチュア統合軍の基地の様子、ミニチュア化された注射器を扱う技師の慎重な手の動き(機械操作ではない)などには子供心を躍らせたという記憶がある。 





Tetsuya Sato