2012年8月29日水曜日

赤ちゃんよ永遠に

赤ちゃんよ永遠に
Z.P.G/Zero Population Growth
1972年 イギリス/アメリカ 97分
監督:マイケル・キャンパス

近未来、世界はスモッグに覆われていて、政府は人口の爆発的な増加に対処するために以降30年にわたる出産を禁止し、違反者は死刑、どうしてもこどもがほしいひとには代わりに赤ちゃんロボットを、ということになるので。どうしても本物のこどもがほしい若い夫婦が死刑を覚悟でこどもを作り、事実を知って嫉妬した隣家の主婦に密告されて、あっという間に捕まって即決で刑が執行されることになるものの、執行する方が違反者親子に小型のドームをすっぽりかぶせて窒息刑などと称してちんたら殺しているものだから、夫婦は地面に穴を掘ってさっさと逃げてしまうのである。
夫婦のうちの夫がオリバー・リード、妻がジェラルディン・チャップリン。食料が不足している世界なので一般大衆はいつも空腹を抱え、恥も外聞もなくおなかをぐーぐー鳴らしている。場面効果としてほぼ全編を覆うスモッグ、閉塞感、ガスマスクや空中を漂う飛行船型の航空機も含め、イギリス人中心のスタッフが空爆下のロンドンを思い出しながら作ったような雰囲気がある。


Tetsuya Sato