2013年4月6日土曜日

エクスペンダブルズ

エクスペンダブルズ
The Expendables
2009年 アメリカ 103分
監督:シルヴェスター・スタローン

場末の店に中年から初老のバイカーがたむろする店があり、バイカーたちは依頼を受けると武器を取って飛行艇に乗り込み、傭兵のようなことをする。ということで仕事を引き受けて中米の島へいってみると、そこでは将軍が独裁を敷いているが、その将軍も実は悪いアメリカ人にあやつられていて、将軍の娘は島の現状に心を痛め、悪いアメリカ人が将軍の娘を捕えると、娘を気遣う傭兵が仲間とともに殴り込みをかけ、悪いアメリカ人も将軍のところの兵士も皆殺しにする。
おそろしく締りの悪いプロットと登場人物の消化の悪さはビデオスルーされる種類のアクション映画を思わせる(というか、悪役がエリック・ロバーツだということは、つまりそういうことなのであろう)。アクションシーンの演出は派手だが、派手ならいいだろうという種類の派手さであり、考えなしに打ち上げられる打ち上げ花火のようなもので、見ていて面白いものではない(MPS AA-12フルオートショットガンのフルオートぶりはなかなかのものであったとはいえ)。異様なキャスティングを採用して、それぞれの役者に見せ場を与えて、という割り切った仕組みは理解できるが、キャラクターとしての造形をはぶいてアクションをさせるだけであれば、このキャスティングも意味はない。もしかしたらニュートラルな状態で投げ出して観客がキャラクターを補完するという仕組みなのかもしれないが、だとすれば手間を省きすぎであろう。 



Tetsuya Sato