2013年4月23日火曜日

モンゴル

モンゴル
Mongol
2007年 ドイツ/カザフスタン/ロシア 125分
監督・脚本:セルゲイ・ボドロフ

12世紀のモンゴル。九歳のテムジンはひとつ年上のポルテを許婚に選び、五年後の結婚を約束するが、その直後に父親イェスゲイがタタールの酒にあたって死に、テムジンがハーンの地位を受け継ぐものの、九歳の権威を認めないタルグタイによって財産を奪われ、命を狙われることになる。やがてテムジンは同年代のジャムカと出会って盟友の絆を結び、成長してポルテを妻に迎えるが、それを知ったメルキト族の一団が現われ、つまりメルキト族の男はかつてイェスゲイに妻を奪われたことがあったので、イェスゲイの息子から妻を奪い取る。テムジンはポルテを奪い返すためにジャムカの助力を求め、女のためにモンゴルでは戦争をしないというジャムカの主張を退けてメルキトを攻撃、ポルテを救出する。このときのテムジンのふるまいに感じ入った数人がジャムカの配下から離れ、さらにジャムカの弟がテムジンから馬を盗もうとして殺されるので、ジャムカとテムジンは敵対することになり、テムジンはジャムカと戦うものの捕虜となってタングートへ奴隷に売られ、数年の後、ポルテによって救われるとモンゴルへ戻り、いまや大軍を率いるジャムカと対決する。
テムジンが浅野忠信。撮影は全体に美しく、戦闘シーンはかなりのもので、殺陣のバリエーションにも工夫がある。絵に迫力と勢いがあり、素材に対する作り手のこだわりと誠実さが見えるとすれば、語り口の多少の不器用さもそれほどの瑕疵にはなっていない。



Tetsuya Sato