2013年4月29日月曜日

チレラマ

チレラマ
Chillerama
2011年 アメリカ 115分
監督:アダム・リフキン、ティム・サリヴァン、アダム・グリーン、ジョー・リンチ

ドライブインシアターで巨大化した精子がニューヨークを襲う50年代風怪獣映画『Wadzilla』、高校生の男の子が性的に興奮すると熊男に変身して人間に襲いかかる60年代ビーチ映画風(しかもミュージカル仕立て)の『I was a Teenage Werebear』、アンネ・フランクが隠れ家で発見した祖父の日記、というのがフランケンシュタイン博士の日記で、これを手に入れたヒトラーが実験室で正統派ユダヤ教徒の怪物を作り上げる『Diary of Anne Frankenstein』(ダイアログは全部ドイツ語)が順に上映され、最後にもうどうしようもない映画の上映が始まったころ、劇場職員が妻の墓をあばいて持ち帰った口には出せないような物質が売店のポップコーンに混入したことで観客がゾンビ化して暴れ始める。 
オムニバス形式で、劇中映画が3本とその外側に1本という構成になっていて、ショットガン片手にゾンビと戦うドライブインシアターの経営者がリチャード・リール、『Wadzilla』では巨大精子と戦う軍隊の将軍役でエリック・ロバーツが登城し、原因を作る泌尿器科の医師レイ・ワイズがまことしやかに放射能の危険性を訴える。ネタがしつこいくらいに下半身に集中していて、ほぼ全編が露悪的で、はっきり言って顔をそむけたくなるような場面もあったけど、くだらない映画が好きだ、という気持ちは非常によく伝わってきた。 


Tetsuya Sato