2012年6月10日日曜日

クロッシング・ザ・ブリッジ サウンド・オブ・イスタンブール

クロッシング・ザ・ブリッジ サウンド・オブ・イスタンブール
Crossing the Bridge: The Sound of Istanbul
2005年  ドイツ・トルコ 92分
監督・脚本:ファティ・アキン


イスタンブールの音楽事情に関するドキュメンタリー。
ドイツの前衛バンド"Einsturzende Neubauten"のベーシスト、アレキサンダー・ハッケが案内人を務めている。まず町の西側で活動するロックバンドが紹介される。ドラムにダラブッカが持ち込まれていた。次に東側に移ってヒップホップのグループが紹介される。イスタンブール・スタイル・ブレイカーズのラップは迫力があり、そのダンスも半端ではない。そしてアメリカのギャングスタを軽蔑する。さらにスーフィーの旋回舞踏、ストリート・ミュージシャン、ロマの一家、トルコ語で民謡を歌うアメリカ人女性、挽歌を歌うクルド人女性歌手、伝統楽器サズを弾く大物歌手オルハン・ゲンジェバイ、72年歌い続けて撮影当時86歳のミュゼッエン・セナル、国民的歌手セゼン・アスクなどが紹介されている。登場する若い歌手は一貫して政治的で、音楽で世界を変えようと試み、その一方で民族的伝統を誇っている。いずれもなかなか見ることのできない光景ばかりで興味深いが、映画の作りはやや足早である。個々の音楽家たちをもう少し掘り下げる時間がほしかった。 






Tetsuya Sato