2012年6月7日木曜日

ロシア特殊部隊 スペツナズ

ロシア特殊部隊 スペツナズ
Spetsnaz
2003年  ロシア 各45分 TV
監督:アンドレイ・マルコフ


(Disk: レッド・ハイジャック)
(1話目)アフガニスタンの飛行場がテロリストによって占拠され、続いて旅客機がニトロベンゼン入り水鉄砲で武装したテロリストによってハイジャックされる。ハイジャックされた旅客機は占拠された飛行場を目指すので、プラトフ少佐以下スペツナズの3名はまず飛行場を奪回、一方、旅客機のほうはたまたま乗り合わせていたプラトフ少佐の部下クルストが客室にいたテロリスト2名を瞬殺、残りをコクピットに閉じ込める。旅客機はその状態で着陸、残りのテロリストも速やかに排除され、そこへやって来たテロリストの戦闘部隊も殲滅される。
(2話目)アフガニスタンの山間部にテロリストの生物兵器研究所が発見されるので、プラトフ少佐以下スペツナズ4名とウィルス学者がアフガニスタンに潜入、わらわらと現われるテロリストを排除しながら研究所を強襲し、ウィルスとワクチンを確保する。
(Disk: ジハード・聖戦)
(1話目)ロシア軍の哨所がゲリラに襲撃される。ゲリラは通りかかったプラトフ少佐以下のいつものメンバーによって排除されるが、哨所の兵士たちに洗礼を施していた神父が負傷する。この神父もかつてはスペツナズの隊員で、妻子のある生活を送っていたが、武装強盗による立て篭もり事件で娘を失い、娘を失った悲しみのせいで妻を失い、生きる希望を失った当人は軍隊を辞めて修道院の門を叩き、やがて見習い修道士となると紛争中のセルビアで教会を再建する仕事につくが、そこでも試練にあってアルバニア民兵と交戦するはめになる。絵に描いたようなロシア的悲嘆が見物である。
(2話目)アフガニスタンの軍事勢力を率いるボルザニ将軍はロシア軍との会見のためにタジキスタンを訪れるが、そこで何者かによって狙撃されるので、誰も信用するなと指示されたプラトフ少佐以下スペツナズの4名がボルザニ将軍を護衛する。ということで誰が裏切り者かわからない状態で狙撃ポイントを見上げる道を車列が走り、襲撃者はそれを対物ライフルで待ち構え、一方、スペツナズのスナイパーはドラグノフが手元にないという理由でモシン・ナガンM1891/30を博物館から引っ張り出してくる。対物ライフルの反動がまじにすごい。反撃するスペツナズはカラシニコフのグレネードランチャーから本当に一発撃っていなかったか?
(Disk: チェチェン・ウォーズ)
(1話目)チェチェン共和国で軍用機が撃墜され、ゲリラの手にストレラ2対空ミサイルが渡っていることが明らかになる。そこでプラトフ少佐以下のいつものメンバーが投入されて横流しされたミサイルの行方を追う。いったいなにがあったのか、防諜部のリリン少佐を含めてみんないきなり頭が悪くなっており、戦闘シーンの演出なども全体に低調である。
(2話目)チェチェン共和国で輸送部隊の車列がゲリラに襲撃されるので、プラトフ少佐以下のいつものメンバーが護衛のために投入される。敵のゲリラはSASの元隊員(サウジアラビア系英国人の三世、という苦しい設定で、英語を話す場面ではプラトフ少佐のほうが発音がよかった)によって指揮されており、スペツナズの登場を知ったこの元SASは戦闘のプロとしてのプライドからスペツナズとの対決を望み、つまり勝手な理由でなんだかわからないことになっていく。


ロシア製のTVシリーズで、スペツナズの小部隊がイスラム系のテロリストと戦う。スペツナズの面々が泥臭い兵隊ジョークを交わしながら出かけていって、山ほどもいるテロリストをいかにもプロっぽく皆殺しにするのである。これを面白い、と言うと政治的に問題があるような気がするのだが、余計な枝葉を作らずに淡々と任務をこなして帰還するだけ、という作りは好みにあう(チェチェンの回はなんだか妙なことになっていたけど)。テロリストの親玉がちょっとフィデル・カストロみたい。製作費がそれほどかかっているようには見えないものの、戦闘場面では銃器類が豊富に登場し、ほかにアントノフ An-2、ツポレフ Tu-160 爆撃機、BTR-80などが顔を出す。






Tetsuya Sato