2012年4月26日木曜日

ラストキング・オブ・スコットランド

ラストキング・オブ・スコットランド
The Last King of Scotland
2006年  イギリス 125分
監督:ケヴィン・マクドナルド


若いスコットランド人ニコラス・ギャリガンは医師の資格を得るとウガンダを訪れて僻地医療に従事するが、このときウガンダではクーデターが起こってアミンが大統領の地位につき、そのアミンの怪我をたまたま治したことから主治医に嘱望されて首都カンパラに移動、アミンからは妙に信頼されて事実上の顧問として扱われ、悪い気は決してしないものの、なにしろ相手はアミンなので間もなく恐ろしいことになってくるが、なにしろ70年代風のもの知らず若者なので、結果として恐ろしいことにも加担することになり、そのせいで悪い評判が立つことになるが、どうすることもできない、という話も70年代風だという気もしないでもない。主人公の行動の根底にある無軌道さがなんとなく『冒険者』あたりを思い出させるのである。
ジャイルズ・フォーデンの原作はだいぶ前に読んでいるが、こちらのほうはどうもうまく思い出せないでいる。フォレスト・ウィッテカーはアミンを熱演し、この異様な政治的カリスマに存在感を与えている。対するジェームズ・マカヴォイもいかにもいそうな人間を演じてそれらしい。時間の経過のあいまいさ(71年のクーデターから76年のエンテベ襲撃事件の直前まで、ほぼ6年に及ぶ)が少々気になったものの、まじめに手間を惜しまずに作られた映画で好感を持った。ウガンダ・ロケも印象的。 





Tetsuya Sato