2012年4月14日土曜日

ディミトリアスと闘士

ディミトリアスと闘士
Demetrius and the Gladiators
1954年 アメリカ 102分
監督:デルマー・デイヴィス

『聖衣』の結末でペテロに託されたイエスのローブは旅に出るペテロの手からディミトリアスに託され、ディミトリアスはそれを陶芸屋に預け、問題のローブに不死の力があると信じたカリギュラは兵士を送ってローブを探させるが、探しに現れた兵士にディミトリアスが殴り掛かり、捕えられたディミトリアスは自分は自由民であると主張するが、証拠立てるものが何もなかったために剣闘士としてクラウディウスの養成所に送られ、信仰にしたがって相手を殺すことを拒絶するとクラウディウスの妻メッサリーナが関心を抱いてディミトリアスを試合に出すように手配を下し、対戦相手となったグライコンはディミトリアスを救うために一種の茶番をしかけるが、カリギュラに見抜かれたためにディミトリアスを殺しにかかり、ディミトリアスはグライコンを倒すがグライコンの命を奪うことを拒否したためにトラと戦うはめになり、トラをことごとく打ち倒すと負傷して養成所に担ぎ込まれ、そこでメッサリーナとグライコンの手当てを受け、傷がいえるとクラウディウスの呼び出しを受けてキリスト教徒に関する質問に答え、メッサリーナはディミトリアスに粉をかけるがディミトリアスが応じないためにメッサリーナはディミトリアスを養成所に戻し、再び試合に出ることになったディミトリアスの前には陶芸屋の娘ルシアが現われた愛を告白し、それを見たメッサリーナはディミトリアスとルシアを引き裂き、剣闘士にもてあそばれたルシアはその場で息絶え、それを見たディミトリアスは信仰を失い、試合に出てルシアをもてあそんだ剣闘士たちをことごとく倒し、それを見た兵士たちはディミトリアスに賞賛を送り、再び自由民となったディミトリアスは護民官となってメッサリーナと親しくすごして旅から戻ったペテロを追い返し、ローブに不死の力があるとまだ信じているカリギュラはローブの捜索をディミトリアスに命じるので、ディミトリアスは陶芸屋を訪れてローブを抱えて横たわるルシアを発見し、ルシアが死んではいなかったことを知って神に祈り、信仰を取り戻してローブをカリギュラに差し出すが、カリギュラが信じたような魔力はローブにはなかったので、怒ったカリギュラはディミトリアスを剣闘士に戻し、戦うことを拒んだディミトリアスが倒れると怒った兵士がカリギュラを殺し、その場でクラウディウスが新たな皇帝となり、クラウディウスは愚者の仮面をかぶっていたことを告白してキリスト教徒を迫害しないと約束する。
ディミトリアスが奴隷になったり剣闘士になったり、自由民になったり奴隷になったりと、まるですごろくのように身分を変える。そして落ち着きがない割には筋運びは単調で、どちらかというと『聖衣』で作ったセットをできるだけ償却するためだけに脚本が組まれているように見える。剣闘士の試合にも迫力はないし、トラはじゃれているようにしか見えないし、配役にも格別の魅力はない。 



Tetsuya Sato