2012年12月8日土曜日

ファーゴ

ファーゴ
Fargo
1996年 アメリカ 98分
監督:ジョエル・コーエン
脚本:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン

金持ちの家に婿入りして肩身の狭い思いをしている小心な男が一攫千金をたくらんで自分の女房を誘拐する。ところが誘拐の実行犯として雇った二人組はまるで呼吸があっていないし、一方が無口で凶暴そうなマルボロマンなら、もう一方は全体として変な顔をした小男で、それが前金代わりに受け取った車をナンバープレートなしで乗り回しているものだから、そこら中で目撃されている。それでも計画は実行に移され、二人組は逃げていくあいだにさらに事件を起こすので、妊娠8か月の警察署長がつわりと空腹感に悩まされながら犯人たちを追いかけていく。
小心な婿がウィリアム・H・メイシー、マルボロマンがピーター・ストーメア、変な顔がスティーブ・ブシェミ、妊娠8か月の警察署長がフランシス・マクドーマンド。タイトルは事件の起点になるノース・ダコタ州の町の名で、幸か不幸か、このあたりがどの程度に田舎なのかは映画を見た範囲でしかわからないが、コーエン兄弟はその田舎の情景に殊更にスローで間抜けに聞こえるな会話を持ち込むことによって人生の恐るべき停滞ぶりを描くことに成功している。





Tetsuya Sato