2012年12月31日月曜日

シカゴ

シカゴ
Chicago
2002年 アメリカ/カナダ 113分
監督:ロブ・マーシャル

1920年代のシカゴ、踊り子ヴェルマ・ケリー(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)が夫と妹を射殺したその晩、うだつの上がらないもう一人の踊り子ロキシー・ハート(レニー・ゼルウィガー)はクラブのスターになる日を夢見ていたが、浮気相手の男が口にしていたマネージャーへのコネはまったくの嘘で、男は女としたかっただけであったので、一ヶ月も経ってから事実を知ったロキシー・ハートは未来を見失ってこのセールスマンを撃ち殺してハリソン検事補に絞首台を約束されるが、ぶちこまれた先の刑務所で女看守長からやり手弁護士ビリー・フリン(リチャード・ギア)の名を聞くと、亭主にない金をはたかせて必死の思いで雇い入れ、雇われたビリー・フリンは勝訴のためなら手段を選ばないロクデナシの守銭奴ではあったが仕事はいちおうちゃんとやる、というところで収まらないのは先にビリー・フリンを雇っていながら公判日程でロキシー・ハートに先を越されたヴェルマ・ケリーで、それまでは自分の事件が新聞をにぎわせていたものが、ロキシー・ハートの事件が起こってからは次第に隅の方へと追いやられ、玩具店にロキシーちゃん人形が出回る頃には紙面の上にわずか7語というところまで落ちぶれていて、そこへ新たな殺人が起こって夫と夫の情婦二人のあわせて三人をいっぺんに射殺した富豪令嬢が逮捕されるとビリー・フリンもそちらの方へと傾いていって、今度はロキシー・ハートの公判日程が怪しくなる。で、というような無体なまでに殺伐とした展開で、つまり有名になりたい女たちのサクセス・ストーリーなのである。
面白い映画だけど、どちらかと言うとボブ・フォッシーによるもともとのミュージカルがよく出来ていたのではないだろうか。映画の功績はそれを慎重にスクリーンに移し変えたことと、出演者を魅力的に動かすことに成功していることであろう。キャサリン・ゼタ=ジョーンズはどちらかと言うと苦手な女優だが、今までに見た中では最高に素晴らしかったと思う。歌も踊りも迫力があった。レニー・ゼルウィガーは相変わらず重そうな感じではあるものの、がんばっている。リチャード・ギアは少々歳を取り過ぎではないか、という気がしたが、踊りもタップも立派であった。





Tetsuya Sato