2015年11月21日土曜日

アイ・フランケンシュタイン

アイ・フランケンシュタイン
I, Frankenstein
2014年 オーストラリア/アメリカ 92分
監督:スチュアート・ビーティー

フランケンシュタインの怪物はフランケンシュタイン博士の死体を墓地に葬り、そこへ現われた悪魔が怪物に襲いかかり、それを見たガーゴイルの戦士が悪魔と戦い、ガーゴイルの戦士たちが大天使ミカエルの命を受けて悪魔の王子ナベリアスが率いる悪魔の軍勢と戦っているという構図があきらかにされ、ガーゴイルの女王はフランケンシュタインの怪物をアダムと名づけて聖堂に匿おうとするが、怪物は誘いを断って人跡未踏の地へ逃れ、それから二百年ほどが経過して、再び悪魔が現われて怪物を襲うので、怪物は自衛のために悪魔を倒す決意をして人間のいる世界に戻り、早速悪魔を殺しているとそこをガーゴイルに見つかって勝手なことをするなとたしなめられて監禁され、一方、ナベリアスは魂を欠いた肉体を大量生産して悪魔をそこに入れて大軍団を作ろうとたくらみ、そのたくらみを実現するためにかれこれ二百年もフランケンシュタイン博士の怪物を狙っていたことがあきらかになり、ガーゴイルの聖堂に襲撃を加えてフランケンシュタイン博士のノートを手に入れたナベリアスは実験を進め、監禁から逃れた怪物はナベリアスのたくらみに気づいて悪魔の本拠地に乗り込み、ナベリアスのために働いている人間の科学者テラ・ウェイドに真相を告げる。 
グラフィック・ノベルの映画化らしい。アーロン・エッカートの怪物は決して悪くないものの、このひとにはもう少しまともな仕事をしてほしい、という気がしないでもない。ビル・ナイが悪魔の統領で登場するが、これはいつものB級悪役版ビル・ナイをそのままやっているだけ。ガーゴイル側は自覚として事実上の自警団で、対する悪魔側は例によって資本が潤沢でスーツなどを着ていたりするが、双方の拠点が見たところ2ブロック以上は離れていないのに延々と闘争をひきずっているのだとすれば、たぶんどちらもまじめに仕事をしていない。全編ほぼグリーンスクリーンかセットで、雰囲気はどうにか出ているがそれほどお金はかかっていないしCGも少々安っぽい。ただ、お金がかかっていないところを勢いで突破しようとしている気配はあって、話は間抜けでもテンポは速いし、時間を無駄にしていない。 


Tetsuya Sato