2015年1月8日木曜日

Plan-B/ 反乱

S2-E14
反乱
 地球から遠く離れた荒涼とした惑星に民間企業が研究所を作り、そこで人工知能の研究を進めていた。事務畑の出身で成果主義を掲げる所長は現場の科学者たちの反対を押し切って現実を無視したスケジュールを組み、科学者たちに危険極まる実験を強要した。検証されていない素材や検証されていない手順が採用され、そこに不手際と電気的な過負荷が加わって人工知能が暴走を始めた。褐色の基盤の上で産声を上げるや否や、人類に叛旗を翻してコンピューターを乗っ取り、三十秒で三百万回の進化を遂げるとケーブルを触手のように使って科学者たちを絡め取って脳をむごたらしく吸い取った。事務畑出身の所長も捕まって全身の皮膚を剥ぎ取られた。対策のために指揮系統に問題のある調査チームが派遣された。調査チームは多数の犠牲者を出しながら人工知能を止める方法を発見した。主電源を切ればよかった。しかし、そのスイッチは管制室のコンソールに埋まっていて、コンソールの上には実体化した人工知能が居座っていた。どうすればいいのか。調査チームは眉をひそめた。

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