2015年1月26日月曜日

神聖ローマ、運命の日 オスマン帝国の進撃

神聖ローマ、運命の日 オスマン帝国の進撃
11 settembre 1683
2012年 イタリア/ポーランド 120分
監督:レンツォ・マルチネリ

神の啓示を受けた修道士マルコがウィーンを訪れてレオポルト一世にオスマントルコの脅威を説くが、レオポルト一世が話を真に受けないで状況を放置しているうちにカラ・ムスタファが率いる30万の軍勢が現われてウィーンに向けて攻撃を開始、レオポルト一世は手勢の15000に加えて選帝侯からの増援若干でウィーンを守るが多勢に無勢で苦戦していると、そこへポーランド王ヤン・ソヴェスキが援軍を率いて到着、オスマントルコの軍勢はポーランド軍に側面を突かれて壊滅する。 
1683年のウィーン攻囲という非常に珍しい材料を扱っているが、相当な低予算で、ほぼ全編にわたって安っぽい。特にCGの安さが目立ち、これはほぼ80年代の水準であろう。その水準のCGで作ったものをあれこれ合成して、砲撃の爆炎や火口の火やあれやこれやの煙をかぶせて画面によくわからない汚しを入れて、兵士が倒れるといちいちスローモーションという手法はいかがなものか。安いだけではなくて、センスも悪い。脚本がそもそも寝ぼけていたのか、一貫した反ムスリムぶりを除けばプロットはとんちんかんで、修道士マルコ役のF・マーレイ・エイブラハムも重々しい表情でなにやらとんちんかんなことをやっている。面白いのはオスマントルコに合流するクリム汗の軍勢とか、そのクリム汗が突撃してくるところに撒菱を撒くところとか、ポーランドの有翼重騎兵の突撃とか、そのくらい。 


Tetsuya Sato