2015年1月20日火曜日

Plan-B/ 密林

S2-E23
密林
 資源調査会社の探検隊が密林の奥で無数の白骨を発見した。小型の動物から大型の動物まで、森で暮らすありとあらゆる動物の骨があたり一面に転がっていた。骨を調べてみると暴力にあった痕跡がない。しかし自然に死んだのだとすれば死体の密集ぶりが不自然だった。探検隊の生物学者は有毒ガスの可能性を疑ったが、改めて骨を調べてみると死亡時期に長期にわたるばらつきがあった。調べているあいだに、音もなく雨が降り始めた。隊員の一人が雨粒に打たれて声を上げた。雨ではなかった。濡れた服が煙を上げた。皮膚が溶けて血が流れた。血を追いかけて肉と脂肪が流れ落ちて、森の木の根に吸い取られた。

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