2012年7月20日金曜日

アバター・オブ・マーズ

アバター・オブ・マーズ
Princess of Mars
2009年 アメリカ 93分 VIDEO
監督・脚本・撮影:マーク・アトキンス


アメリカ軍特殊部隊のジョン・カーターはどうやらアフガニスタン北部とおぼしき場所で単独で偵察行動に従事していたが、麻薬密売業者のトラブルに介入して重傷を負い、アメリカ軍の最新の医療処置を受けることになり、つまり16MBの不揮発性メモリーに保存されているジョン・カーターの組織情報(つまりそうとうにすかすか、と言いたいのか)をもとに肉体を再生し、それをどういう文脈なのか、あまり注意して聞いていなかったのでさっぱりわからなかったが(おそらく注意して聞いていてもわからなかったであろうと確信しているが)念力移動によって火星に送るという計画に巻き込まれることになり、ただしその火星というのはあの火星ではなくてアルファケンタウリにあるもう一つの火星、ということで、早速、その火星に念力移動でいってみると、サーク族に捕えられ、勇気を示してサーク族のタルス・タルカスの尊敬を得てサーク族の戦士となるが、デジャー・ソリスがサーク族の捕虜となり、タルス・タルカスはサーク族の邪悪な皇帝タル・ハジュスを倒して新たな皇帝となり、ジョン・カーターは脱出したデジャー・ソリスを追って空気製造工場を訪れ、そこでデジャー・ソリスに愛を迫るアフガニスタンの麻薬密売人と対決する、といったような内容で、気のせいかもしれないが、登場人物の名前やプロットの一部がE.R.バロウズの『火星のプリンセス』と微妙に似通っているところがどうにも気味が悪い。
何を考えて作ったにしてもTHE ASYLUMのビデオ作品であり、したがってとてつもない低予算で、出演者の数は全部あわせても20人未満、それがその辺の荒れ野でうろうろしているだけ、というしろものである。四十過ぎのトレイシー・ローズがデジャー・ソリスというのもよくわからない。






Tetsuya Sato