2012年3月29日木曜日

ディセントZ 地底からの侵略者

ディセントZ 地底からの侵略者
The Burrowers
2008年 アメリカ 96分
監督・脚本:J.T.ペティ


1879年のダコタ準州。開拓民の一家が惨殺され、別の一家がそろって行方不明になり、近郷の男たちは騎兵隊と合流して捜索にかかるが、騎兵隊の隊長は最初からスー族のしわざだと決めつけて見つけたスー族の男を拷問にかけ、これではらちが明かないと考えた男たち四人は騎兵隊と別れて別行動を取るが、夜間に何者かに襲われて一人が首に傷を負う。スー族の説明によれば一帯では三世代に一度、地中に棲む種族が現われて狩りをするが、獲物にしていたバッファローが白人による乱獲のせいで減ったので、かわりに人間の味を覚えて人間を捕え、体内に毒を注入してから地面に埋めて、毒がまわって柔らかくなったところへ再び現われ、犠牲者は生きながら内臓をすすられることになるという。
ほぼ全編にわたって野蛮が支配し、人命は軽く、登場人物も宿命的に倒れるので主人公と言えるような主人公も登場しない。『宇宙戦争ZERO』(High Plains Invaders)のようにモンスター系のフレームにただ西部劇を持ち込むのではなく、西部劇に独自のフレームを与えた上でモンスターを自然な形で埋め込んでいる。話法につたなさが見えるものの作りは良心的で、画面は厚みがあり、雰囲気はよくまとめられていると思う。地中の怪物はCGおよびメカニカルで、それなりの数がそれなりに不気味な姿で出現し、ゴア表現にも遠慮がない。imdbによると原型になったテレビシリーズがある模様。






Tetsuya Sato