2012年3月20日火曜日

アンストッパブル

アンストッパブル(2010)
Unstoppable
監督:トニー・スコット

ペンシルヴァニアの鉄道で勤続28年のベテラン機関士と勤続四か月の新米車掌のコンビが貨物列車を走らせていると、同じ鉄道の操車場で有毒物質やディーゼル燃料を満載した全長800メートルの貨物列車が暴走を始め、前方から機関車で押さえつけて停止させる作戦は失敗し、強制的に脱線させる作戦も失敗し、そのまま放置しておくとスタントンの町の大曲りで脱線して大惨事を引き起こすことになるので、ベテラン機関士は列車を修理線に入れて暴走機関車をやり過ごしたあと、貨車を切り離して機関車だけで暴走する列車のあとを追う。
主役は暴走する機関車で、ありがちな「人間ドラマ」は大きく背後へと退いていて、ほぼ90分の上映時間は列車が暴走を始めてから停まるまでのあいだの「絵」をつなぐために使われ、きわめて速い場面つなぎとニュース映像の多用によって巧みに臨場感を維持している。まず絵があって、余計なものがほとんどない、という点で、きわめて思い切りのよい作りが心地よい。 




Tetsuya Sato