2012年1月21日土曜日

大怪獣ガメラ

大怪獣ガメラ(1965)
監督:湯浅憲明

アメリカの戦闘機が北極圏で某国の爆撃機(機影からするとイギリスのように見える)を撃墜。核爆発が起こり、割れた氷山の間からガメラが姿を現わす。これはかつてアトランティスに存在したと伝えられる巨大なカメであったが、そのアトランティスが北極に存在したと確信する東京大学動物学教室の日高教授は助手の京子くんやカメラマンの青柳くんと共にエスキモーの村を訪れ、アトランティスにそのようなカメがいたのか、それともいなかったのか、といったことを唐突に訊ねて村長の記憶を探るのであった。ところがそうしているうちに日本の砕氷船ちどり丸がガメラを目撃した直後に連絡を断ち、母船の難を知った教授は調査の継続をあきらめて渡米する。そしてアメリカのテレビに出演し、アトランティスにはガメラと呼ばれるカメがいたこと、北極から出現した怪物こそがそのカメにほかならないが、放射能を浴びているので遠からず死ぬであろうこと、などを説明する。
さて、テレビ出演を終えた教授とその一行が飛行機に乗り込んで日本を目指している間に世界では謎の飛行物体が出現し、ピラミッドの上空やエッフェル塔の上空、万里の長城の上空などで目撃される。同じ頃、北海道の灯台守の息子俊夫は母親代わりの姉からカメを処分するようにと言い渡されて海岸を訪れ、放したカメの代わりにガメラと遭遇すると、そうか、チビはガメラになったんだ、とわけのわからないことを呟きながら、俊夫少年はガメラに対して無条件の信頼を抱き、ガメラは悪くない、ガメラを苛めないで、と耳に触る甲高い声で叫びながら大人たちの決死の防衛ラインに飛び込んでいって、そのたびに迷惑をかけるのであった。
通常兵器がまったく通用しないガメラを退治するために国際社会は総力を結集してZ計画を推進し、そのための施設を大島に建設する。もちろん俊夫少年も資材に紛れて大島へもぐり込み、またしてもみんなに迷惑をかけるのであった。やがてZ計画の準備が整い、炎を食べるガメラの前に重油がまかれ、火が放たれて東京湾から大島まで炎の道が作られる。その道を追ってガメラが大島に近づいてきた。ガメラ、来ちゃだめだ、と俊夫少年が呟くと、祈りが届いたのか、南の海上から台風が近づいてきてせっかくの炎の道を消してしまう。万事休すか。すると青柳くんが資材に火を放ち、焚き火を熾してガメラを呼ぶ。だが、その炎も台風の雨によって消えてしまう。万事休すか。だがそのとき三原山が噴火を起こし、その炎に引き寄せられてガメラは大島に上陸する。一方、俊夫少年はZ計画の巨大な施設に心を奪われてガメラのことは眼中にない。なんという現金なガキであろうか。Z計画実行の瞬間がやってきた。炎に導かれたガメラが巨大なステージの中央に到達する。そこでスイッチが入れられると地下から巨大なドームが出現して巨大なガメラを包み込み、巨大なドームを支える巨大なロケットも現われて、点火されるとこれが火星を目指して飛び出していく。人類の危機は去ったのであった。




Tetsuya Sato