2012年1月11日水曜日

黄金

黄金(1948)
The Treasure Of The Sierra Madre
監督・脚本:ジョン・ヒューストン


1925年のメキシコ。ハンフリー・ボガート扮する浮浪人が同胞のよしみでとかなんとか言いながら地元のアメリカ人にたかって暮らしている。そのうちに日雇いの仕事にありついて小金を稼ぎ、宝くじにも当たるので、それを軍資金にして二人の仲間とともに金を掘りに出かけていく。途中の鉄道では山賊どもの襲撃を受け、とある村でロバを買って人跡未踏の土地を進んでいくと、カナダでも掘った、アラスカでも掘った、カリフォルニアでも掘ったと言っていた老人が見事に砂金の鉱床を嗅ぎつける。そこで三人は協力して砂金取りの仕事にかかり、そうしているとどこから嗅ぎつけたのかテキサスの男がキャンプに現われ、鉄道で見かけた山賊も現われ、山賊を追って軍隊も現われ、砂金を取り終えて下山すると意外と近くに村があるし、村人たちは老人を崇め始めるし、途中の山には炭焼きが住んでいるし、鉄道で見かけた山賊をまた見かけるし、そんな具合でどこが人跡未踏なのかわからないような有様で、そのどこか栓の抜けたようなワンダーランドぶりがなんとも言えずに楽しいのである。ハンフリー・ボガートは欲望に狂った人間を熱演しているが、ウォルター・ヒューストンの爺さんぶりにはいささかかなわない模様であった。
黄金 [DVD]

Tetsuya Sato