2012年1月19日木曜日

怪獣ゴルゴ

怪獣ゴルゴ(1961)
Gorgo
監督:ユージーン・ローリー


アイルランド沖で火山の爆発に遭遇した民間のサルベージ船が、住民がゲール語を話す怪しい島に漂着し、そこで怪物を捕獲する。ロンドンに運んで見世物にしていると、数十倍の体格を持つ怪物の親が子供を捜しに出現し、まず島を破壊し、どういうルートを採っているのかさっぱりわからないが、海軍の猛攻をかいくぐってロンドンに上陸する。タワーブリッジを破壊し、国会議事堂を破壊し、ピカデリーサーカスを破壊し、陸軍の猛攻を物ともせずに、遂に子供を救って海へ戻る。よく言われることだが、あちらの映画としては珍しい着ぐるみ怪獣による都市破壊物である。改めて見ると、けっこう寒い。人物描写は思わせぶりな割りにはないに等しいし、行動も脈絡がない。海軍の攻撃シーンはほとんどストックフィルムの寄せ集めだし、ミニチュアも格別精度が高いとは思えない。ただ、人間が巻き添えを食う容赦のない描写はロンドン空爆体験が生かされているのか、こちらはちょっと迫力があった。





Tetsuya Sato