2012年1月20日金曜日

大巨獣ガッパ

大巨獣ガッパ(1967)
監督:野口晴康

プレイメイト社、というのがどういう出版社なのかよくわらないのだけど、社名と同じグラフ誌か何かを出しているらしい。その創刊5周年でプレイメイト・ランド、というようなものを作ることになって、それは日本にいながらにして南海の風情を味わうことができる施設で、完成すると南海の様々な動物などが展示され、南海の原始の美女が踊りを見せたり手料理などをしたりするのである。で、そのような動物や美女を採集するためにプレイメイト社の社員が船で南海を進んでいくとオベリスク島という火山島に到着し、ではここから、ということで上陸すると村の長老が現われて、日本軍に教わった日本語でガッパの怒りについて話し始める。このガッパというのが島の守り神らしい、と推理したプレイメイト社の社員は島の奥に進んで巨像を発見し、巨像の背に隠されていた洞窟でガッパの子供を発見する。そこで早速これを日本に持ち帰ると、親ガッパが子ガッパを取り戻すために現われて、まず相模湾から熱海に上陸して戦車部隊を壊滅させ、河口湖ではミサイル部隊と戦い、日光へ飛んで華厳の滝の上に立ち、それから南下して東京を狙う。
1961年の『怪獣ゴルゴ』を当時の日活が翻案したものだという。 熱海で温泉芸者を上げているところを怪獣が襲う、とか、文金高島田の花嫁が飛行するガッパを見上げる、とか、珍しい場面があったりする。ただ、特殊効果は全体にきわめて質が低い。からす天狗にしか見えないガッパの造形は安っぽいし、方針としてハイスピードショットを使っていないように見えるが、これはもしかしたらフィルム代を節約するためなのではあるまいか。



Tetsuya Sato