2016年5月24日火曜日

ビッグ・クラブ・パニック

ビッグ・クラブ・パニック
Queen Crab
2015年 アメリカ 80分
監督:ブレット・パイパー

アメリカ某所、クラブ・クリークというところである種のマッドサイエンティストが女房に罵られながら一人で成長促進剤の研究をしていて、両親から相手にされない娘メリッサは家の近所の池でカニを見つけて、カニはなんでも食べるという父親の言葉を真に受けて父親の研究室にあった木の実のようなものを与えたところ、このカニが少々大きくなり、洗濯中にカニを見つけた母親がパニックを起こし、父親が駆けつけたところで家が爆発、両親が亡くなって保安官をしている叔父に引き取られたメリッサはカニを友達にして育ち、それから二十年後、巨大な生物が家畜を殺害しているということで保安官から連絡を受けた野生生物局の職員が調査を始め、足跡を追っていくと巨大なカニの卵と抜け殻を発見、保安官はメリッサの制止を振り切って町の自警団を呼び集める。 
モンスター映画としての枠組みよりもカニと友達になって森に入ったまま出てこない娘の話、という枠組みが強くて、なにやら『ネル』を意識したような気配もある。で、それはそれとして、ほぼ30年前から思い出したようにブレット・パイパーの作品を眺めているが上手にならないひとだと思う。こだわりのストップモーション・アニメはそれなりに仕上がっているものの、格別に面白いというわけではないし、格別に面白くもないカニの登場シーンも控えめで、格別に面白くもないドラマがだらだらと続く。上手にならないなら自主製作映画の工夫だけはあった初期の作品のほうがまだしも面白かったような気がしてならない。 
Tetsuya Sato