2015年9月3日木曜日

ラビリンス

ラビリンス
Labyrinth
2012年 ドイツ/イギリス/南アフリカ/チェコ 196分 TV
監督:クリストファー・スミス

2012年、ラングドックの発掘現場を訪れていた教師アリス・ターナーはたまたまもぐり込んだ洞窟の奥で白骨化した死体と指輪を発見、過去を幻視して失神して、気がつくと警察が呼ばれる騒ぎになっていて、見つけたはずの指輪が行方不明になっているということで弁護士を称する男からひどく無礼な扱いを受け、この弁護士の無礼な態度には地元の若い刑事も強く反発し、アリス・ターナーの友人で発掘現場で働いていたシーラの友人でもあるこの刑事はアリス・ターナーにマリ・セシルの連絡先を渡し、いつの間にかシーラが行方不明になっているということでシーラの行方を探してマリ・セシルの家を訪れたところ、マリ・セシルの男友達であるところのウィル・フランクリンと出会い、アリス・ターナーはシーラの行方について手がかりを得られないまま、ラングドックを訪れたそもそもの目的である遺産相続の手続きのために弁護士を訪れて自分が叔母から家を譲られたことを知り、その家を訪れるとカタリ派に関する本がテーブルに置かれ、オードリックと名乗る謎の人物からアリス・ターナーに宛てた手紙があり、誘拐されたシーラは監禁されて拷問を受け、マリ・セシルは信徒に囲まれて異教の祭司を務め、観光のつもりなのかなんなのか、カルカソンヌをうろうろしていたアリス・ターナーはようやく重たい腰を上げてオードリックに会いに出かけて、歴史学者であると自称するオードリックからひどくもったいぶった説明を受け、そうしているうちにマリ・セシルを罠にかけようとする男がマリ・セシルに返り討ちにされ、マリ・セシルの秘密を暴こうとしたウィルはマリ・セシルの捕虜となり、オードリックの案内で再び洞窟を訪れたアリス・ターナーはそこで聖杯の秘密を知る、という話の一方で、1209年、アルビジョア十字軍の接近に脅えるカルカソンヌで子爵レモン・ロジェ・トランカヴェルの代官を務める(とおぼしき)ペルティエの次女アレイスは父親から秘密を明かされて聖杯に関する三冊の本のうちの一冊を預かることになり、種違いということで父親の愛を得られずに憎しみを募らせ、妹の夫ギーを寝取っている長女オリアンヌは父親と妹の会話をひそかに聞いて妹から本を奪い取り、さらにユダヤ人シメオンを襲って二冊目の本を奪い取り、妹の推理をたどって三冊目の本のありかに気がつくとカルカソンヌの薬剤師エスカモンデに襲いかかり、この重責を担えるのはおまえだけだと父親に言われて重責を担うことになったアレイスは重責を担うにはあまりの間抜けぶりをさらしながら姉が怪しいということに気がついてきて、シモン・ド・モンフォール率いる十字軍がいよいよ接近するとアレイスの夫ギーはアレイスの愛に気がついてトランカヴェルとともに出撃し、トレビュシェットを破壊するために出撃したはずが、トレビュシェットは無視して敵を殺しまくり、だから次の場面でもトレビュシェットは健在で火の玉をカルカソンヌに投げ込んでくるので市民は悲鳴を上げて逃げ惑い、開城を要求するシモン・ド・モンフォールを追い返したトランカヴェルはシモン・ド・モンフォールとの交渉におもむいてギーとともに罠にかかり、同行したオリアンヌは自分を売りつけた上で妹を売り、カルカソンヌが落ちて市民が追放されるとアレイスは姉の目を逃れて聖杯の先導者ハリフを訪ね、察するところそれから5年以上が経過してアレイスが娘とともに出かけているとハリフの家が襲撃に遭い、モンセギュールに逃れて暮らしているとそこにも十字軍が現われてモンセギュールは陥落(ということは1244年?)、混乱の中、モンセギュールを脱出したアレイスは娘をさらったオリアンヌの前に現われ、斬りかかる十字軍兵士の前にギーが飛び出し、オリアンヌは娘を人質に洞窟へ入ってアレイスを脅し、そこへ再びギーが飛び出し、そこまでほとんど役に立っていなかったエスカモンデの孫サーシャがアレイスの遺志を継ぐことになる。 
ケイト・モス『ラビリンス』を原作とするミニシリーズで、製作はリドリー・スコットとトニー・スコット。ジョン・ハートが出ている、アルビジョア十字軍がそこそこの規模で登場する、トレビュシェットも出てくる、ということで鑑賞したが、さほど面白くもない話を196分かけてちんたらちんたらと流すだけで、はっきり言って退屈であった。13世紀初頭の衣装やカルカソンヌの城塞などの雰囲気はそれなりに再現されているが、当時のスカートをはいた若い娘がジーンズをはいているのと同じように歩いていてはやはり興ざめする。中身は相当に頭の悪い「歴史ロマンス」で、謎が謎を呼ぶ一方、最後までたいした謎は出てこない上に登場人物がやたらと多い一方、片っ端から殺すのでなぜ出てくるのかわからない。 


Tetsuya Sato