2015年9月20日日曜日

アントマン

アントマン
Ant-Man
2015年 アメリカ 117分
監督:ペイトン・リード

サンクウェンティン刑務所を出所したスコット・ラングが職にあぶれていると刑務所仲間が仕事のことで声をかけ、そもそも勤務先を告発して損害を与えたことで罪に問われていたスコット・ラングは犯罪から足を洗うと宣言してバスキン・ロビンスにもぐり込むが、油断のならないバスキン・ロビンスがスコット・ラングの前歴を洗い出して解雇するので結局は刑務所仲間の話に乗ることになり、あれやこれやと準備をしてから鉄壁のセキュリティを誇るハンク・ピム博士の屋敷に侵入し、ついに金庫を開けると見つけたのは大金ではなくて奇妙なスーツで、それを持ち帰って自分で着込んであれやこれやと試しているといきなり極小サイズに縮小され、そこへハンク・ピム博士の声がかかり、実はすべてが仕組まれていたことを知ったスコット・ラングがスーツを返すために再びハンク・ピム博士の屋敷を訪れると警官に囲まれて逮捕され、面会に訪れたハンク・ピム博士がスコット・ラングに選択を迫り、独房に戻されたスコット・ラングは蟻が運んできたスーツを見て選択する間もなく選択して逃亡を果たし、ハンク・ピム博士からアントマンとなるように要請を受けると博士と博士の娘ホープの特訓を受け、あれやこれやと案を重ねて仲間も集め、敵の本拠に潜入して堕落したシールドとハイドラが絡む陰謀を叩き、最愛の娘の前でヒーローぶりを発揮する。 
スコット・ラングがポール・ラッド、ハンク・ピム博士がマイケル・ダグラス、博士の娘がエヴァンジェリン・リリー、刑務所仲間がマイケル・ペーニャ、悪役は『ハウス・オブ・カード』で哀れな下院議員をやっていたコリー・ストール、スタン・リーが最後のほうで一瞬だけ登場する。そこはかとなくエドガー・ライトのテイストを残しながら、密度の高い作品に仕上がっている。主演のポール・ラッドがいい感じで、マイケル・ダグラスもノリがよくて、悪役も含めて周辺人物の書き込みもうまく、ミクロサイズのアクションと原寸のギャップもうまく処理されているし、コミカルなパートは楽しいし、やってることが本質的に犯罪映画だし、寡黙な蟻の軍団はなんだか愛らしいし、サム・ウィルソン、というかファルコンの登場もなかなかにうれしいし、ということで充実感が半端ではなく、このところのMARVEL作品としては、いちばん好きかもしれない。 

Tetsuya Sato