2015年5月4日月曜日

Plan-B/ 不死

S5-E06
不死
 警官たちは男を路地の奥に追い詰めた。男は自動小銃で武装していて、すでに十人を超える一般市民が撃たれていた。警官も二人撃たれていて、しかもどちらも重傷だった。そろそろ終わりにしなければならなかった。警官たちは武器を構えて前に進んだ。男がいた。胸や腹を撃たれて血まみれになって、普通ならば立っていられるはずがないのに、男は立って武器を構えて、なぜか笑みを浮かべていた。誰かに指図されたわけではなかったが、警官たちは頭を狙った。警官たちの銃が火を噴いて、男の頭が吹っ飛んだ。からだが倒れて濡れた地面に転がった。男の顔の残骸から、なにかがゆっくりと這い出してきた。虫のようにも見えるが、虫にしては大きすぎる。それはいきなり飛び上がって一人の警官の顔に貼りついた。と思う間もなく口からなかへ滑り込んだ。その警官が笑みを浮かべた。武器を構えて、同僚に向かって発砲を始めた。

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