2013年1月12日土曜日

フロム・ビヨンド

フロム・ビヨンド
From Beyond
アメリカ 1986年 85分
監督:スチュアート・ゴードン 

プレトリアス博士の研究所で実験中に事件が起こり、首なしとなった博士の死体が発見される。助手のティリンガストが犯人として逮捕されるが、警察から精神鑑定を依頼されたキャサリン・マクマイケルズ博士はティリンガストが真実を語っていると確信して実験の再現を提案する。
マクマイケルズ博士はティリンガストと研究所を訪れ、ブラウン巡査部長立ち会いのもと、プレトリアス博士の共振装置を始動する。この共振装置は人間の松果体を発達させる性質を備え、人間はこの装置の影響下に入ることで性的な刺激を受ける上に(すごくエッチな気分になるらしい)、見えない筈の存在を見ることができるようになる。 実を言うとプレトリアス博士はその見えない世界の怪物に襲われ、その結果としてあちらの世界の住人となっていたのであった。実験を続ける三人の前には奇怪に変貌した博士が現われ、早くもマクマイケルズ博士の美貌に注目して粉をかけ始める。 実を言うとプレトリアス博士は色惚けのサディストで、その性分はあちらの世界でいっそう強化されていたのであった。共振装置のスイッチを切ることでプレトリアス博士の姿は消滅したが、それは見えなくなったというだけであって、存在が消滅したわけではない。ティリンガストは装置の危険性を訴える。だがマクマイケルズ博士は発明の重要性に注目し、これが分裂症治療に適用できると主張する。
マクマイケルズ博士は再び装置を起動し、そうすると案の定、プレトリアス博士が襲いかかる。しかも装置のスイッチはすでにプレトリアス博士の支配下にあった。どうにか撃退したものの、マクマイケルズ博士は共振装置に取りつかれ(結局エッチだったのである)、家はあちらの世界の侵食を受ける。間もなくプレトリアス博士の三度目の襲撃がおこなわれ、ブラウン巡査部長はその犠牲となり、ティリンガストの額には蛇を思わせる第三の目が出現した。あわてて病院へ担ぎ込むと、今度はマクマイケルズ博士が正気を疑われることになり、怪物化したティリンガストは病院の中を歩き回って人間を襲う。病院から脱出したマクマイケルズ博士は共振装置を破壊するためにプレトリアス博士の研究所へ急ぎ、ティリンガストも救急車を奪って研究所を目指す。そして研究所ではプレトリアス博士がぬとぬとのぐちゃぐちゃになって現われ、マクマイケルズ博士を救うためにティリンガストもまたぬとぬとのぐちゃぐちゃになるのであった。
原作になったH.P.ラブクラフトの短編『彼方より』というのは上のストーリーの最初の1行くらいの内容で、あとは映画のオリジナルである。スチュアート・ゴードンはまったく迷いを抱かずに自分の趣味(よい趣味とは言い難いが)を全開にしているし、その結果を一定以上のパワーで画面に焼き付けることに成功している。異様な迫力を感じるのである。 

フロム・ビヨンド [VHS]
Tetsuya Sato