2012年2月5日日曜日

インシディアス

インシディアス
Insidious
2010年 アメリカ/カナダ 103分
監督:ジェームズ・ワン


ジョシュとルネの夫婦が幼い三人のこどもと一緒に新しい家に越してくると、あるはずのものがなくなったり、本棚の本が飛び出したり、ベビーモニターから奇妙な声が聞こえたりといった怪現象が続発し、こどもの一人ダルトンがある朝原因不明の昏睡状態に陥るとルネは家の中に怪しい人影を見るようになり、これはこの家に何かあるということでジョシュとルネの夫婦は別の家に引っ越すが、そこでもすぐに怪現象が起こってルネの前に恐ろしい影が現われ、ジョシュの母親は事情を察してその方面の専門家を呼ぶように助言し、専門家の目の前にもすぐさま幽霊のたぐいが現われるので、霊能力者エリーズが招かれ、エリーズは怪現象の正体とダルトンの昏睡状態の原因を見破り、解決のためには非常識な手段が必要であると訴え、幽体となってかなたにあるダルトンの霊魂を呼び戻すために交霊術のようなことをおこない、怪現象のさらに恐るべき正体によって交霊術のようなことが失敗するとジョシュの母親はジョシュの過去を語り、幽体離脱の能力を備えていることが判明したジョシュが息子を救うために霊界に飛び込んでいく。
幽霊、悪魔、幽体離脱に心霊写真ともりだくさんの内容がいささか暴力的ではないかと思えるほどの力技で盛り込まれていて、それぞれの要素はそれなりに消化されていて、見終わってみると視覚的な構成が意外なほど整然としていることに気づかされる。怖がらせる、ということに集中しているという点ではまったく迷いのない映画であろう。というわけで、怖がらせることに集中しているときに、やり方にデリカシーがないと指摘するのはルール違反かもしれないが、このデリカシーの欠如はどうしてもいくらかの不快感を催させる。 






Tetsuya Sato