2014年8月24日日曜日

タイピスト!

タイピスト!
Populaire
2012年 フランス 111分
監督:レジス・ロワンサル

1958年、ノルマンディーの田舎の雑貨屋の娘ローズ・パンフィルは仕事を探して町へ出かけてルイ・エシャールが経営する保険会社の秘書の面接を受け、一本指でも早くタイプが打てるということで試験採用されるものの、どちらかと言えばドジでまるで秘書に向かなかったので一週間後に解雇を言い渡され、ただルイ・エシャールは県のタイプ早打ち大会で優勝すれば引き続き雇用するという条件をつけるので、ローズ・パンフィルは早速早打ち大会に出場して次点で優勝を逃し、そもそも運動選手でコーチの資質を備えたルイ・エシャールはローズ・パンフィルを自宅に下宿させて特訓を開始、特訓の成果があってローズ・パンフィルは県大会を制覇して全国大会を目指すことになり、パリの全国大会でチャンピオンの座を獲得するとルイ・エシャールは自分の役目は終わったと勝手に判断してローズ・パンフィルの前から姿を消し、一方、一躍脚光を浴びてパリマッチなどの紙面を飾ったローズ・パンフィルは心のどこかで打ち消しがたい寂しさを感じながらスポンサーを得て世界大会を目指し、ニューヨークで世界チャンピオンとの対決に臨む。
半端ではなく直球勝負のスポ根もので、十本指でタイプするための特訓から始まってブラインドタッチ特訓用の装置も現われ、もちろんランニングをするし、指を鍛えるためにピアノのレッスンも受け、タイピスト同士の壮絶な戦いぶりもなかなかにすごい。ヒロインはほぼ「のだめ」、ヒロインを見守る周辺人物もほどよいバリエーションを加味しながら配置され、テンポが速くて無駄がない。絵に描いたような五十年代ぶりも楽しくて、これはよくできた映画だと思う。 

Tetsuya Sato