2012年11月17日土曜日

エクスカリバー

エクスカリバー
Excalibur
1981年 アメリカ 140分
監督:ジョン・ブアマン

ジョン・ブアマンがマロリーの「アーサー王の死」をベースにしてアーサー王と円卓の騎士の物語を2時間20分に圧縮している。黒と緑を基調にした撮影が素晴らしく異世界的な雰囲気をかもしだし、甲冑はつねにまがまがしく輝き、その対極にあって人体はもろく、そして剣と槍は血にまみれている。ニコル・ウィリアムスンのマーリンは最高。視覚的な部分ではほとんど文句のつけようがないんだけれど、かなり欲張った内容を140分に押し込んだ結果、どこもかしこもひどく急いでいるような具合になってしまったのは否めないと思う。しかもその気配が後半に入るにしたがって次第に濃厚になっていくのである。これは特に音楽に現われていて、ワグナーはぶつぎり、要所要所は流しっぱなしのオラフでつながれている。ディレクターズ・カットで4時間版とかいうのをなんとか作れないのだろうか。 


Tetsuya Sato