2012年11月13日火曜日

フレンチ・コネクション2

フレンチ・コネクション2
French Connection II
1975年 アメリカ 119分
監督:ジョン・フランケンハイマー

前作から4年。 ニューヨーク市警のドイル刑事(ジーン・ハックマン)が単身マルセイユに乗り込んでくる。シャルニエの顔を知っているのはドイル刑事だけだったからである。一方、シャルニエの方でもドイル刑事の顔を知っているので、ドイル刑事は言語ギャップと戦っているうちにシャルニエの手の者にさらわれてヘロイン漬けにされてしまう。麻薬中毒患者となったドイル刑事は警察署の前に投げ出され、一時は死線をさまよいはするが、バルテルミー刑事(ベルナール・フレッソン)ほかの努力によって一命を取りとめ、やがて体力を回復すると復讐に立ち上がる。火攻め、水攻め、激しい銃撃戦、そしてシャルニエは再び遁走に移り、ドイル刑事は宿敵を追ってマルセイユの町をどこまでも走る。息を切らしてあたりを見回し、喘ぎながら柵を乗り越え、埠頭の端を目指してなおも走り、最後には銃声が二発轟いて明らかな結末が残される。
オープニングのデザインは前作を忠実に真似ているが、そこで流れている音楽が具体的かつドラマティックな旋律を帯びていてすでに映画的であり、基調となるカメラワークもまた変わらずにドキュメンタリー調ではあるものの、そのタッチは卒業制作で優を狙うフリードキンの慎重さはなく、ひたすらに攻撃的である点で実にフランケンハイマー的なのである。フリードキンが偶発性として表現したものを、フランケンハイマーは即興性として使っている。元気がいい。妙な言い方になるけれど、B級的に盛りだくさんの内容が、B級的に収まりのいいところに収まっていて、映画としてはこちらの方が見ごたえがある。特にジーン・ハックマンの最後のあの走りっぷりがなんとも言えずにいいのである。 





Tetsuya Sato