2014年10月30日木曜日

ライトスタッフ

ライトスタッフ
The Right Stuff
1983年 アメリカ 193分
監督・脚本:フィリップ・カウフマン

1947年、肋骨の損傷にもかかわらずベルXS-1に乗り込んだチャック・イエーガーは水平飛行で超音速を記録し、世界で初めて音速を超えた男となり、若いパイロットが名声を求めてエドワード空軍基地に集まっていたころ、ソ連はスプートニクを宇宙に打ち上げ、蒼白となったアメリカは宇宙計画に拍車をかけ、有人飛行計画の候補としてサーファー、曲芸師などを考えるが、アイゼンハワーの一言で扱いが悪いパイロットを使うことになり、空軍、海軍および海兵隊からパイロットが募集され、厳格な審査の末に優れた資質を持つ七人が選ばれ、やがてソ連がガガーリンを打ち上げるとアメリカはふたたび蒼白となり、マーキュリー計画に拍車をかけて、まず訓練したチンパンジーを打ち上げ、続いてチンパンジーと同じ訓練をしたアラン・シェパードを打ち上げ、アラン・シェパードは英雄となり、さらに続いて打ち上げられたガス・グリソムはカプセルを水没させたせいで英雄になりそこね、ソ連がチトフを打ち上げて地球を周回させるとアメリカはジョン・グレンを打ち上げて地球を三周させ、管制センターがヒューストンに移されたころ、チャック・イエーガーは最新鋭のF104に乗り込んで高高度を目指して失速し、ゴードン・クーパーが打ち上げられて地球を22周する。

スコット・グレンがアラン・シェパード、エド・ハリスがジョン・グレン、デニス・クエイドがゴードン・クーパー、サム・シェパードがチャック・イエーガー。マーキュリー計画という、言わば付け焼刃な国家プロジェクトにおけるパイロット、あるいは宇宙飛行士という、全体に一番乗りを目指す傾向のあるやや特異な人種が自分自身のプライドと戦い、そのまわりで政府機関やマスコミが軽挙妄動を繰り返し、それで結局、いちばんかっこよかったのは一人で淡々と星空を目指して失敗するチャック・イエーガーだったりするのである。破格のスケールで丹念に作られた、きわめて質の高い映画だが、歴史的に複合した状況を扱うためか、いわゆる劇映画としてのナラティブは必ずしも維持されていない。最後のナレーションは感動的だが、同時に唐突にも感じられる。ジェフ・ゴールドブラムがマーキュリー計画のスカウト役で、ランス・ヘンリクセンが宇宙飛行士の一人ウォルター・シラーの役で登場する。 




Tetsuya Sato