2014年1月27日月曜日

リボルバー

リボルバー
Revolver
2005年 フランス/イギリス 115分
監督:ガイ・リッチー

賭博王マカの下で不本意ながらディーラーをしていたジェイク・グリーンはマカにはめられて七年間を刑務所の独房で送り、そこで勝利の方程式を会得して出所すると、復讐のためにマカのカジノで大金を稼ぐ。ジェイク・グリーンを恐れたマカは殺し屋を差し向けるが、ジェイク・グリーンはなぜか二人組の金貸しに守られている。そしてこの金貸しはジェイク・グリーンの意図に先んじてマカを罠にはめていく。
冒頭からの意味ありげなモノローグにいくらかの危機感を抱いたが、案の定、というか最大の敵は実は自分自身なのであって、その敵を克服すると晴れやかな気持ちになるのである。そして誰からも恐れられているけれどまったく姿の見えない謎の大物はどうやら登場人物のそれぞれの心のなかに潜んでいたようなのである。なんだか精神道場みたいな映画なのであった。『スナッチ』以前に通じるような楽しい小悪党描写は変わらずに魅力的だし、ジェイソン・ステイサムもいい味を出しているし、レイ・リオッタの怪演ぶりも迫力があるが、作り手の側が妙な向上心を発揮して人間の内面を描こうとした結果、整理が悪くて退屈な映画になっている。いらない種類の無理をしているように見えてならなかった。

Tetsuya Sato