2013年12月21日土曜日

私がクマにキレた理由(わけ)

私がクマにキレた理由(わけ)
The Nanny Diaries
2007年 アメリカ 106分
監督:シャリ・スプリンガー・バーマン、ロバート・プルチーニ

ニュージャージーの母子家庭出身で看護師の母親の支援を受けて大学で経営学と人類学を学んだアニー・ブラドックは卒業すると金融業会での成功を志してハドソン川を渡ってゴールドマン・サックスの面接を受けるが序盤で失敗、失意のどん底でセントラルパークに沈んでいるとふとしたことから一人の少年を事故から救い、この少年グレイヤーの母親でアッパーイーストサイドの典型的な母親であるという理由からすばやく記号化されたミセスXから嘱望されてグレイヤーのナニーをすることになり、早速マンハッタンで住み込みのナニーを始めるが、ミセスXはあれやこれやと理由をつけて育児を拒み、ミスターXは息子に対して愛情を見せず、グレイヤーは愛情面で阻害され、ミセスXとミスターXの夫婦関係は崩壊している上にミセスXはアニーに対して小間使いのような仕事もまで押しつけて休日まで取り上げる、という有様なので辞めることを考えるものの、グレイヤーへの愛情から逃げ場を失う。 
アニーがスカーレット・ヨハンソン、ミスターXがポール・ジアマッティ、アニーの恋人が『キャプテン・アメリカ』のクリス・エヴァンス。いろいろと悪いうわさの多いニューヨークのナニー事情を暴露的なタッチで盛り込みながら、その外側に人類学的な枠をはめておく、という趣向は面白いし、各所で造形面の頑張りが見える。スカーレット・ヨハンソンは混乱したキャラクターを好演し、ローラ・リニーの異常にテンションの高いミセスXも見ごたえがある。 

Tetsuya Sato