2013年12月19日木曜日

レッド・ヒル

レッド・ヒル
Red Hill
2010年 オーストラリア 95分
監督:パトリック・ヒューズ

妊娠中の妻を転地させるために小さな田舎町レッド・ヒルに転勤した警官シェーン・クーパーが初日に出勤すると刑務所から囚人ジミー・コンウェイが脱獄したという報道があり、そのジミー・コンウェイがもともとレッド・ヒルの住民で、武装しているということから町の警察を率いる警部は警官たちを武装させ、さらに武装した町民を集めて要所に配置し、シェーン・クーパーもまた見張りの任務を帯びて街道に立つが、間もなくそこへジミー・コンウェイがショットガンを構えて現われ、説得を試みたシェーン・クーパーは足を踏み外して谷へ落ち、町へ進んだジミー・コンウェイは武装した町民を次々に殺害し、谷から脱出したシェーン・クーパーは徒歩で町へ戻って惨状を知り、警部に応援を要請するが、なぜか警部は応援を求めることを拒絶して町の人間で対処することに固執する。
現代のオーストラリアが舞台になっているけれど、移動のかなりの部分が馬で、雰囲気もかなり西部劇という変わった映画で、しかも背景にはどこからともなく現われたヒョウがいて、獲物を求めて徘徊している。撮影がシャープで美しく、嵐を控えた天候の移り変わりが効果的に使われている。語り口は正直だが、演出は丹念でテンションが高い。銃器類の扱いが渋く、警官がライフルを構えて照準器をちらりと動かす場面になぜかはっとさせられた。見ごたえのある作品である。

Tetsuya Sato