2013年12月4日水曜日

ヒステリア

ヒステリア
Hysteria
2011年 イギリス/フランス/ドイツ/ルクセンブルク 100分
監督:ターニャ・ウェクスラー

1880年のロンドン。牧師の家の出で妙に進歩的な発想をするクランビル医師は旧態依然とした上司を批判したせいで次々と病院をクビにになり、行き先に困った結果、婦人科専門のダリンプル医師の病院に勤めを得るが、この病院というのがヒステリー性の患者の治療を事実上専門としていて、ヒステリーとはすなわち子宮の過活動に原因があるとの解釈から治療のために患者の小陰唇に刺激を与えるというようなことをしていて、ダリンプル医師から手ほどきを受けてクランビル医師はそのような治療に従事して大量の患者を処置したせいで腱鞘炎になり、動かない右手に替えて左手を使ったところ患者の不評を買うこととなってダリンプル医師から解雇を言い渡されるが、友人の発明家エドモント・セント・ジョン・スミスが開発していた電動羽ボウキに着想を得て電動マッサージ器の開発に成功するとダリンプル医師のメイドを使って生体実験を敢行し、見事に成功を収めてダリンプル医師の病院に復帰してダリンプル医師の次女エミリーとの婚約を果たすが、ダリンプル医師の長女で改革派のシャーロットが騒ぎを起こす。 
婦人科のダリンプル医師がジョナサン・プライス、長女シャーロットがマギー・ギレンホール。ジョナサン・プライスは非常にいい雰囲気を出しているし、マギー・ギレンホールも悪くない。いわゆる電動バイブレーターの開発秘話という素材は面白いし、ビクトリア朝的なステレオタイプを適当に配して猥談をするという範囲ではそれなりに楽しめる仕上がりになってはいるが、脚本にいささか弱さがあり、後半に入ってまとまりの悪さが目立ってくる。撮影が微妙に雑なところも気になった。 


Tetsuya Sato