2013年12月13日金曜日

モンスター上司

モンスター上司
Horrible Bosses
2011年 アメリカ 98分
監督:セス・ゴードン

ニックは昇進を約束されて八年間にわたる過酷な超過勤務に耐えるが、その上司デイヴ・ハーケンはニックの期待を裏切って昇進の機会を奪った上にさらにこき使うと宣言し、カートは人柄のよい社長(ドナルド・サザーランド)の下で働いていたが、その社長が突然の心臓発作で死ぬとろくでなしの息子ボビー・ペリットが社長になってろくでなしぶりを全開にし、児童公園で立小便をしたせいで性犯罪者の前科持ちになっているデイルは歯科医の助手をしていたが、歯科医のジュリアはデイルにセクハラの限りを尽くし、ニックとカートとデイルは夜毎に集まって身の不運を嘆き、なんとはなしに上司を片付けることができたら、というような願望を口にしてみると、いっそのこと本当に片付けてみたらどうだろうか、というような話になり、殺し屋を求めて町をさまよっているとマザーファッカー・ジョーンズと名乗る怪しい黒人が手を差し伸べ、言われるままに5000ドルを払うと殺害方法についての適当な指南だけしてくれるので、教えにしたがって標的の情報を集め、弱みを探るようなことをしていると意外なことから意外な展開になり、状況を糊塗しようとあたふたとしているうちにいよいよ恐ろしいことになってくる。
凶悪な上司デイヴ・ハーケンがケヴィン・スペイシー、あほうな社長ボビー・ペリットがかなり化けたコリン・ファレル、ほとんど色情狂のような歯科医がジェニファー・アニストン。この三人の怪演ぶりがかなりすごいし、対する腰抜け三人組のどことなく小動物じみたうろうろぶりもよくできているし、マザーファッカー・ジョーンズ役のジェイミー・フォックスも楽しそう。演出は密度が高く、構成に無駄がない。質が高くて笑えるコメディである。 



Tetsuya Sato