2013年9月5日木曜日

ファイアー・アンド・ソード

ファイアー・アンド・ソード
Ogniem i mieczem
1999年 ポーランド 106分
監督:イェジー・ホフマン

原作はシェンキェヴィチだという。十七世紀中葉のウクライナ。ビシニョベツキ公(だったかな)の部下シュクルゼツキ(だったかな)はコサックの領主の娘ヘレナと恋に落ちるが、ヘレナにはすでに許嫁があり、この許嫁が暴れ始めてヘレナをさらい、コサックはポーランドに背いて反乱を起こし、その反乱にタタールが加勢し、クリミア汗も加わって、あとはもう、なんだかよくわからない。
コサックは絵に描いたように野蛮で、ポーランド人は残酷で、特にコサックなどは半分以上が酩酊していて、その合間に殺し合いをやっている、という感じが悪くない。衣装や小道具などもよくできているような気がしたし、戦闘シーンではポーランド槍騎兵の悲惨な突撃(つまり、昔からそうだった、ということか)、旋回砲を搭載したコサックのタチャンカ(?)、攻城戦用の突撃砲(ということだと思う)などの兵器が登場し、いろいろと頑張っているのはわかるのである。いや実際、それに限らずディテールには楽しいところがいっぱいあって、けっこう気に入ったのである。ただ、3時間あるオリジナルを特に後半、かなり乱暴に切り刻んだようなことになっていて、そのせいで、さっきまであそこにいたやつがいまはなんでここにいるのか、とか、さらわれたお姫さまはいったいどこへいったのか、とか、いつ行ったのか、とか、いつ帰ってきたのか、とか、こいつは敵なのか味方なのか、とか、固有名詞がまるで覚えられない、とか、そういうところがいくらか気にならないでもないわけだけど、だからぜひともオリジナル版を見なければならない、という気持ちになるかというと必ずしもそうではなくて、つまりそのあたりがおそらく一番の問題なのであろう。 

Tetsuya Sato